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  • あね

室内楽に夢見心地のままデザート祭りの妄想に酔いしれた昼下がり(長っ)


CIEL東京室内楽団 定期公演 vol.14

2023/02/23(祝)

古賀政男音楽博物館内 けやきホール


コール・クライス特別演奏会」でモーツアルトのレクイエムを演奏してくださる CIEL東京室内楽団 の定期公演に行ってきた。


古賀政男音楽博物館内 けやきホールは、客席数が、おそらく200席ほどだろうか。

室内楽もいいが、声楽のソロリサイタルや、小編成のアカペラアンサンブルにも良さそうだ。大きいホールもいいが、こういう小さなところで思い切り歌ってみたい。


全4曲の演奏会。ドイツ、フランス、ハンガリーの作曲家、編成もさまざまで、バラエティに富んだプログラムという印象。



重厚な1曲目は19世紀後半のドイツの作曲家、H. ホフマン の《8重奏曲 op.80》。

正座できないので、せめて握った拳を膝の上に置いて聴く。


フランスの作曲家がふたり続く。

まず、J.イベール(1890-1962)《2つの断章》。

イベール。知らない。胃薬ではない。あれは「胃にベール」だ。

よく考えてみると、そもそも室内楽の演奏会に足を運んだことがあまりないし、管楽器だけの4重奏曲(フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット)も馴染みがない。先ほどのホフマンがカチッとしていた分、軽やかで色彩豊かという印象。その時の体調とか、気分で変わるけど、今の自分はこっちが好みかな。やっぱりフランスだな。


次は、M. ラヴェル(1875-1937)《序奏とアレグロ》。知ってる作曲家が出てきたぞ。ラヴェルといえば、やはり《ボレロ》、《展覧会の絵》のオーケストレーションも好きだ。

それにしても、ハープの演奏を間近で聴くことができたのは嬉しかった。ハープの音色が加わると、躍動感というか、キラキラした何かが加わって眩しくなる。例えるならサーティワンのアイスクリームに七色のスプリンクルをトッピングしたような? それにしても、この曲、どこかで聞いた気がするなぁ。


さて、休憩後、本日のプログラム最後の曲は、ハンガリーの E. ドホナーニ(1877-1960)《6重奏曲 op.37》。


ブラームスに心酔していた作曲家で、ユニゾンをよく用いたという解説があったが、なるほど第2楽章 Intermezzo に入ると、同じ旋律を何層にも重なるように複数の楽器が奏でる部分があって、「ああ、これがそうか、美しいなぁ」と目をつぶってうっとりしていたら、突然、まぶたの裏にミルフィーユが浮かんできた。そう、あのドトールとか、カフェ・ラミルのような喫茶店の定番、甘い蜜がひたひたの薄い生地が何層にも重なったケーキだ。なるほど、我ながら面白い例えが浮かんだものだ。あぁ、これはもうたまらん。コーヒーとセットだ。


第3楽章。Allegro con sontimento 曲調が変わる。華やかかつ濃厚な味わい。これは例えるならブラームスというより、ブランデーケーキだ(く、くるしい・・・)。こちらは紅茶でいただきたい。しっかり時間をかけて蒸らして濃いめに淹れたい。生クリームも添えよう。


ゆめうつつのまま、いつの間にか第4楽章 Finale-Allegro vivace, giocoso。アップテンポに駆け抜ける。ひとつひとつの音がキラキラと踊り出す。マチェドニアだ。フルーツポンチみたいなあれ。ミラノでデザートで食べた。


何を書いているのかよくわからなくなってきたが、4つの楽章で奏でられる、それぞれ変化に富む味・・・ならぬ曲をおおいに堪能したと、つまりはそういうことだ。


アンコールは、4曲の出演者が全員勢揃いで、ピアソラ《リベル・タンゴ》。大好きな曲で、大満足の2時間だった。


お腹空いた。こりゃ、痩せるわけないな。


終演後、ロビーで会ったコール・クライスの仲間が「こんな素晴らしい演奏をされる方達と共演するなんて、私たちもがんばらないといけませんね」と話していたが、そうなのだ。

気がつけば、いや、とっくに気づいていたが、「コール・クライス特別演奏会 モーツアルト・レクイエム」まであと2ヶ月と少し。


気持ちを込めて最後の仕上げに臨んでいかなければ。

スイーツの妄想から覚めて、決意をあらたにした午後だった。


(あね)


コール・クライス特別演奏会

2023年4月30日(日)午後2時 新宿文化センター大ホール

モーツアルト・レクイエム

新しい歌 信長貴富

全席自由 ¥2,000

チケットは peatix イベントページからもお買い求めいただけます。

https://chorkreis-sp-concert.peatix.com/





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